交通事故の示談交渉のコツ~被害者が損をしないために
交通事故で被害者になった場合、控えているのが示談です。一度合意して成立した示談は、ケースによっては内容の変更が難しい場合もあります。ケガをした場合や死亡事故の場合では異なるものの、損をしないような交渉をしなければなりません。スムーズに進めながら少しでも有利な示談に持ち込むためには何をポイントに置くべきでしょうか。示談の基本的な流れと心がまえに触れながら、後悔しないためのコツについて解説していきます。
示談交渉をする相手は誰なのか
交通事故の被害者になったとき、示談の交渉をする相手は加害者です。しかし、必ず運転者本人が示談交渉に応じるとは限っていません。実際に交渉する相手を見極めておくことが大切です。
加害者が加入する保険会社
通常は、加害者が加入している保険会社の担当者だと考えるべきでしょう。被害者の状況に応じて加害者自らお見舞いなどに来ることは一般的ですが、示談や示談成立前の治療費の請求や確認などは保険会社の担当者が中心で進めていきます。
車の所有者が他にいる場合
運転者と車の所有者が違うというケースもあります。例えば、家族所有の車であったり友人の車であったりするパターンです。レンタカーを運転中の事故であれば、示談交渉はレンタカー会社と交渉するのが一般的といえます。しかし、加害者が保険の契約をせずにレンタルしていた場合にはレンタカー会社への責任は問えません。ただし、レンタカー会社では利用者の所在地や連絡先を控えているので、万が一を考えてレンタカーのナンバーや社名を控えておくといいでしょう。
加害者が勤務中だった場合
事故当時の加害者が勤務中だった場合、さらに、車が会社所有の場合などは会社側との交渉になる場合もあります。加害者が勤務中に起こした事故の場合は、必ず勤務先の電話番号や所在地を確認しておきましょう。名刺をもらうという方法もあります。
示談のタイミングも重要なポイント
示談交渉で損をしないためには、交渉のタイミングも重要です。被害者と一口にいっても、ケースによって事情は異なります。考えられる3つのケースで適切なタイミングについてまとめてみました。
一定の期間で完治する傷害の場合
一定の期間で完治する傷害であれば、治療がすべて済んでからが交渉のタイミングです。治療の終了とは、その後の通院や検査などが一切ない状態のことを指します。通常は事故の直後に医師の診察を受け、全治にかかる目安期間を診断書に書かれますが、必ずしも診断書に沿った時期である必要はありません。診断書はあくまで目安です。治療が長引く場合でも、完治してから示談に入りましょう。治療費やそれにかかる経費、損害などが正確に出せます。
後遺障害が認められる場合
万が一、医師から後遺障害を告げられたらなら、症状が固定された時点で交渉を開始するのが一般的です。その際、必ず「後遺障害等級」を申請し、その回答をもらってからにしましょう。後遺障害の等級に応じて請求できる金額も変わります。
死亡事故の場合のタイミング
死亡事故の場合は、葬儀や法要が終わって落ち着いた後がタイミングです。死亡の場合は遺族の慰謝料なども示談金に含まれてきます。精神的につらい時期にはなりますが、あまり時間を置かないのも交渉を有利に運ぶコツです。遅くとも1カ月前後か49日が終わるころにははじめましょう。
通りやすい示談案を作成するコツ
治療費や入院、通院にかかる経費をはじめ、交通事故の損害額の全容が明らかになったら示談案を作成しましょう。示談案とは、交通事故の示談成立に向けて加害者に請求したい金額を提示するのが主な役割です。できるだけ希望した通りの金額で合意してもらうには、相手にとって納得しやすい資料と根拠を用意しましょう。死亡事故や後遺障害の場合には、事故の調査報告書などもそろえてください。治療費や交通費、休業損害は領収書や計算書など明確な資料が出せるものです。必ず添付してください。そろわないものは、分かるような資料を用意しましょう。
示談金の中には慰謝料も含まれるので、損害状況によって金額には幅が出ます。慰謝料は被害者の精神的な苦痛を請求するものです。ケガの程度や事故の大きさなどを考慮し、根拠を明示してください。ただ、漠然とした金額だけを入れては、加害者の理解を得られないこともあります。実際には必要のないお金まで要求していると思われてしまうかもしれません。「なぜその金額になるのか」について根拠が分かる説明が必要です。慰謝料の金額も出したら、示談案としてまとめ、必ず控えを取っておきましょう。回答期限を設けておくのも、交渉をスムーズに進めるコツです。
加害者から先に示談案が届いたら?
交通事故の示談案は、加害者側から先に送ってくる場合もあります。なぜなら、加害者側の多くは保険会社に加入しているからです。保険会社は示談をできるだけ急ぎたいと考える傾向が見られます。治療がまだまだ残っているような場合や、明らかに時期が早過ぎると感じたときは、すぐに回答する必要はありません。また、適度な期間が経過しているときでも、内容をしっかり確認してください。どこにポイントを置くべきか、そして、示談案への対処について解説します。
慰謝料の額は適切になっているか
保険会社が提示してくる示談金は、被害者が想定したものより低い額に設定されていることが多いものです。特に慰謝料は、保険会社で設けている基準に沿っているので、安い傾向があります。希望額より上回っているならいいですが、明らかに割に合わないなら、交渉しましょう。
回答書は示談案を反映させつつ誠実に
示談案が届いたら、適切なタイミングで回答書を作成してください。ここで重要なのは、相違がある場合の差額の出し方です。相手が納得することがポイントですから、領収書などがあれば資料として添えましょう。休業損害は会社にあらかじめ出してもらってください。欠勤や遅刻、早退など治療によって休業した日数と時間を明確にすることが必要です。それによって減少した給与分も分かるものにしましょう。加害者側が出してきた示談案の内容を反映させながら、「納得できる部分」と「納得できない部分」を、根拠を添えながら作成してください。治療費などは示談の前に出してもらえる場合もあります。先に支払ってもらった分は差し引くなどしておくといいでしょう。
交渉決裂も想定した準備を
交通事故の示談交渉がスムーズに進み、希望の条件が通れば、次はいよいよ示談書の作成に入り、署名捺印をしましょう。示談書は加害者側の保険会社が用意しているケースが多い傾向です。しかし、用意していない場合は作成する必要があります。示談書には特に規定はありませんが、示談金や両者の氏名に成立日など明確にし、必要な資料も添付しておくとよいでしょう。締結したら両者がそれぞれ控えを持ち、示談は成立です。署名捺印の際は、改めて書類をしっかり確認してから行ってください。
交通事故の示談交渉は、交渉の相手が誰かを明確にしておくことがまず重要です。交通事故の直後は気が動転してしまうこともあるでしょう。それでも、できるだけ相手の連絡先を聞き、実際の交渉相手を確認しておいてください。レンタカーの場合は「わ」ナンバーを使っているため分かりやすいですし、車の後部などにレンタカー会社のステッカーが貼ってあることも多いので、簡単に見分けがつきます。
示談の交渉に入るときは、請求する金額をすべて出して正確に計算しましょう。そして、交渉が決裂した場合に訴訟に進む可能性も考えて準備しておくも必要です。万が一、訴訟に発展した場合も想定し、あらかじめ法律の専門家に正確な書類の作成を依頼し、代理人として交渉を依頼しておくことも、示談を有利に進めるコツです。
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